小話第27話
Buona Sera!
最近、イタリア語を勉強していて、これには、ちょいと訳がありまして、次回にお話します。
実は私の文章を読んで元気の出た人がいたので、嬉しくなってしまい、まめに更新をしよう
などと調子にのって思っています。
今年は残暑が厳しくて、毎日、寝苦しい思いをしている人も多いのではないでしょうか?TV
でも、心霊特集が組まれたりしてるし、やっぱり、ぞっとすると涼しくなるってことなんだろう。
では今日のお題「恐怖」
学生の時、当時付き合っていた彼と北海道に旅行に行った。暇はあるけれど、金のない学生
だから、レンタカー付で、宿と飛行機だけ用意してくれるツアーを選んだ。
札幌から、網走、知床までゆき、旭川経由で札幌に戻る旅行で、今考えれば、結構、日程
的にはハードな旅行だった。(何日の旅行だったかは記憶でさだかでない)
さて、広い、広い、北海道。何日目かに、知床に泊まる予定だった私達。前の日から、おせお
せのスケジュールだったから、寝坊したりして、スタートが遅くなってしまった。
知床に向うころには、もうすっかり日も暮れて、あたりは真っ暗になってしまっていた。『本当
にあった怖い話し』の再現VTRのようなシュチエーションで、左に海、右に山が続く道路をヘ
ッドライトの明かりだけをたよりに、泊まる宿を目指し、走っていた。
道路には外灯があるはずもない。すれ違う車などもなく、前後にも車の影すらない。
ただ、ただ、漆黒の闇と、沈黙が続く。気のせいか、なんだか、空気がねばついているようだ。
黒いチューインガムに車全体が包みこまれてしまったかのようだ。
「ラジオでもいれようか・・・?」彼
「いや、変な声とか聞こえたり、突然ラジオが切れたりしたら怖いからいいよ!」私
「はははっ・・・テ、テープとか持ってくれば良かったね・・」彼
「・・・・・・・・・」無言の私。
かすかに、前方から光が見えた!
あっ!車のライトだ!ヘッドライトだよ~!なんだか私達は妙に嬉しくなってしまい、二人で
「お~ぉぉぉぉい、お~ぉぉぉぉい!」・・・・ワハハハ
すれ違う車に手なんか振ったりした。もちろん、首なしライダーだったりしなかったし、ただ、
普通に対向車とすれ違っただけだったのに、すごい安心した。
沈黙。
一瞬、対向車とすれ違う事で薄れた恐怖がまたよみがえってきた。
し~ん。
運転している彼。黙って前だけを見つめている私。何を思ったのか、私、首を90℃に
ゆっくりとまわし、すーっと彼を見つめた。
すると、同じように、運転しているにもかかわらず、彼が同じようにすーっとこちらに顔を
むけ、私を見つめかえしたのだった。その時・・・・
「ギャーーーーーーーーーーーーッッッッ」私は叫んだ。力の限り叫んだ!
「ギャーーーーーーーーーーーーッッッッ」彼も叫んだ。
キキキキキッー。車は急停車した。
「何ーーーーいっ?なんなのー?」私。
「何なんだーーーーーー?まーちゃん、何が見えたんだーーーーっ?」絶叫する彼。
へっ?私、何にも見えてないよ。しいて言えば、あなたの顔が怖かったくらいだけど。
結局、あまりの孤独の恐怖に、ただなんとなく叫んでしまった私に、彼がつられて叫び、
車を止めただけの話しだったのだ。しばらくして、なんとなく、しらけたムードで、
「じゃ、行こうか・・・」と冷静に車を走らせ、無事に宿にたどり着いたの私達だった。
今でもあの時を思いだすと、笑える。でも、私の記憶では確かに、、見つめ返した彼の
顔が、懐中電灯に下から照らせれて、ぽっかり宙に浮かんでいたように思いだされるのだ。
その後別れてしまったけれど、彼は元気だろうか?
最近、イタリア語を勉強していて、これには、ちょいと訳がありまして、次回にお話します。
実は私の文章を読んで元気の出た人がいたので、嬉しくなってしまい、まめに更新をしよう
などと調子にのって思っています。
今年は残暑が厳しくて、毎日、寝苦しい思いをしている人も多いのではないでしょうか?TV
でも、心霊特集が組まれたりしてるし、やっぱり、ぞっとすると涼しくなるってことなんだろう。
では今日のお題「恐怖」
学生の時、当時付き合っていた彼と北海道に旅行に行った。暇はあるけれど、金のない学生
だから、レンタカー付で、宿と飛行機だけ用意してくれるツアーを選んだ。
札幌から、網走、知床までゆき、旭川経由で札幌に戻る旅行で、今考えれば、結構、日程
的にはハードな旅行だった。(何日の旅行だったかは記憶でさだかでない)
さて、広い、広い、北海道。何日目かに、知床に泊まる予定だった私達。前の日から、おせお
せのスケジュールだったから、寝坊したりして、スタートが遅くなってしまった。
知床に向うころには、もうすっかり日も暮れて、あたりは真っ暗になってしまっていた。『本当
にあった怖い話し』の再現VTRのようなシュチエーションで、左に海、右に山が続く道路をヘ
ッドライトの明かりだけをたよりに、泊まる宿を目指し、走っていた。
道路には外灯があるはずもない。すれ違う車などもなく、前後にも車の影すらない。
ただ、ただ、漆黒の闇と、沈黙が続く。気のせいか、なんだか、空気がねばついているようだ。
黒いチューインガムに車全体が包みこまれてしまったかのようだ。
「ラジオでもいれようか・・・?」彼
「いや、変な声とか聞こえたり、突然ラジオが切れたりしたら怖いからいいよ!」私
「はははっ・・・テ、テープとか持ってくれば良かったね・・」彼
「・・・・・・・・・」無言の私。
かすかに、前方から光が見えた!
あっ!車のライトだ!ヘッドライトだよ~!なんだか私達は妙に嬉しくなってしまい、二人で
「お~ぉぉぉぉい、お~ぉぉぉぉい!」・・・・ワハハハ
すれ違う車に手なんか振ったりした。もちろん、首なしライダーだったりしなかったし、ただ、
普通に対向車とすれ違っただけだったのに、すごい安心した。
沈黙。
一瞬、対向車とすれ違う事で薄れた恐怖がまたよみがえってきた。
し~ん。
運転している彼。黙って前だけを見つめている私。何を思ったのか、私、首を90℃に
ゆっくりとまわし、すーっと彼を見つめた。
すると、同じように、運転しているにもかかわらず、彼が同じようにすーっとこちらに顔を
むけ、私を見つめかえしたのだった。その時・・・・
「ギャーーーーーーーーーーーーッッッッ」私は叫んだ。力の限り叫んだ!
「ギャーーーーーーーーーーーーッッッッ」彼も叫んだ。
キキキキキッー。車は急停車した。
「何ーーーーいっ?なんなのー?」私。
「何なんだーーーーーー?まーちゃん、何が見えたんだーーーーっ?」絶叫する彼。
へっ?私、何にも見えてないよ。しいて言えば、あなたの顔が怖かったくらいだけど。
結局、あまりの孤独の恐怖に、ただなんとなく叫んでしまった私に、彼がつられて叫び、
車を止めただけの話しだったのだ。しばらくして、なんとなく、しらけたムードで、
「じゃ、行こうか・・・」と冷静に車を走らせ、無事に宿にたどり着いたの私達だった。
今でもあの時を思いだすと、笑える。でも、私の記憶では確かに、、見つめ返した彼の
顔が、懐中電灯に下から照らせれて、ぽっかり宙に浮かんでいたように思いだされるのだ。
その後別れてしまったけれど、彼は元気だろうか?
by masanesan | 2006-08-24 23:21